急速に進むキャッシュレス化
コロナ禍のなか、急速に広まっていったキャッシュレス化…
いまや多くの人が利用しているキャッシュレス化とはどのようなものなのか、改めて見ていきたいと思います。
キャッシュレス化とは
一言でいえば「いままで現金で支払っていたものを、クレジットカードや電子マネーなどによる決済に変えていく動き」のことです。
PayPayやLinePayといった電子マネーによる決済サービスが普及するにつれ、一気に世の中に普及してきました。
キャッシュレス化のよいところは、支払いや送金が一瞬でできることです。
店側も、つり銭を用意したり、現金を数えたりといった手間が省けます。
また、現金の扱いにはかなりの経費がいり、日本では輸送と管理に年約8兆円かかるとされています。
現金の取り扱いが減れば、銀行にとっては現金自動受け払い機(ATM)や支店を削減してコストをおさえられ、小売業やサービス業でも会計や経理にかかるお金を節約できます。
店側に負担も
便利なキャッシュレス化ですが、店側に負担もあります。
決済用の端末を導入することにかかるお金や、カード会社などに支払う手数料です。
小さな店では、それらを負担すると利益が吹き飛んでしまいかねません。
また、キャッシュレス決済だと売上金が入ってくるまでに時間がかかります。
商品をたくさん売っても手元にお金がないということがあります。
再来年会える新しいお札
キャッシュレス化の進む一方、現金、特に紙幣についても動きがあるのはご存知の通りでしょう。
2024年度蒸気をめどに発行される新しい紙幣。
新たな肖像に描かれるのは渋沢栄一(新1万円)、津田梅子(5000円)、北里柴三郎(1000円)です。
ただし、紙幣の需要は減り続けており、新しく刷る枚数も年を追うごとに少なくなっています。
特に高額紙幣は、キャッシュレスの流れもあり、今回の紙幣が最後になるかもしれないという話もあります。
偽造防止に高度な技術
日本では、これまでほぼすべての紙幣に人物の肖像が描かれてきました。
人の目は、顔や表情のわずかな違いに気づきやすく、偽造防止に役立つからです。
紙幣の「顔」となった人物は新たな紙幣の3人を含めると20人。
飛鳥時代の聖徳太子から明治時代以降の岩倉具視、高橋是清まで幅広く、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)や神功皇后ら神話上の人物も含まれました。
偽造防止技術にも特徴があります。
明るい光にかざすと中央に肖像などが現れる「すかし」はほぼ全部の紙幣に採用されています。
新紙幣ではさらに、見る角度によって肖像画の3D画像の向きが変わるホログラムが導入されます。
〈『月間 NEWSがわかる』より引用〉
日本の紙幣が「ただの紙」ではなく「通貨」として価値を持つのは、こうした技術が常に進歩を進めているからであり、キャッシュレス化が広がったとしても技術が廃れることなく、うまく共存できるよう願うばかりです。