断水工事の際に準備しておきたいこととは?

水道の工事では、しばしば「断水(水の流れを止める)」状態にして作業を行うことがあります。

その場合、断水した場所から下流にある場所には水が行き届かなくなります。

今回は、自宅や学校、職場などで断水工事が行われるときに困らずに済むよう、事前にできる準備についてご紹介します。

 

断水工事ってなに?

断水工事とは、使用中の管を切断する必要があったり、破損した管を修理したりする際に、作業箇所より手前の栓を閉めて水を止め、工事を行うことを言います。

 

断水しなかった場合、使用中の管に穴が開いた状態となるので、砂や空気などが混入して利用者のもとに送られることになります。

当然、飲み水や洗濯用の水のような生活用水としては使い物にならなくなるので、一時的に断水してこれらの影響を最小限に抑えられるようにするわけです。

※100%防げるわけではありません(後述)。

 

また、断水中は家の中にある全ての水栓を閉めておかなければなりません。

(水道業者さんが閉めてくれることもあれば、「閉めてください」という連絡をもらい、自分で閉めることもあります。)

仮に家の水栓が一つでも開いていた場合、そこから管に空気が侵入して管を傷つけたり、水が逆流して工事がストップし、断水の時間が長くなったりと、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。

 

工事の種類や原因によりますが、短くて数十分、長ければ日をまたいで断水となることもあるため、断水の通知が来た際は必ず詳細を確認しておき、工事が始まった際に慌てなくてすむようにましょう。

 

断水工事の際に困らないために

断水が長時間に渡った場合、とにかく困るのが水を使えないことです。

キッチン、お風呂、トイレなど、家庭のありとあらゆる水回りがストップするため、事前にきちんと準備しておくことが大切です。

 

断水前の準備

断水前の準備としては、大きく分けて2つあります。

一つは、断水中に水を使わずすむようにすること。

もう一つは、断水中にも使える水を確保しておくことです。

それぞれ見ていきましょう。

 

まずは、断水中に水を使わないためにできることについてです。

例えば断水が始まる前に洗濯やトイレを済ませておく、(時間帯にもよりますが)断水中は家族で買い物や食事に外出するなどの方法があります。

 

続いて、断水中にも使える水を確保することについてです。

用途別の容器(例えば飲料水ならポットややかん、トイレ用にはバケツなど)にあらかじめ水を溜めておき、断水中に使用できるようにすれば安心です。

 

断水中のトイレの流し方は、

①バケツ一杯の水で勢いよく流しこむ(このとき自分に飛び散らないように注意!)

 

②におい防止のために3~4リットルの水を再度流す

 

という流れです。

 

※注意!

・災害時や排水管が破損している場合には、流した汚水が詰まったり、破損を広げたりしてさらなるトラブルの原因になることから、断水時のトイレ使用は禁止されています。

 

メーカーのサイトにも同様の注意のほか、便器のタイプ別対処法についても書かれているので、気になった方はそちらもぜひご覧ください。

 

~参考~

//TOTO「断水/給水制限」//

https://jp.toto.com/support/emergency/dansui_teiden/dansui.htm

//LIXIL「断水や給水制限のときは、どうやってトイレを流せば良いですか?」//

https://faq.lixil.co.jp/faq/show/5647?category_id=1&site_domain=default

 

断水工事が終わったら

断水工事が終わったらすぐに水道が使えるようになる…わけではありません。

 

上述したように、断水する場合は管に穴が空いた状態になり、その隙間から空気や砂が微量ながら混ざってしまいます。

断水工事が終わってすぐのときには、この「砂や空気の混ざった水」が流れてきますので、蛇口が狭かったりフィルターがついていたりすると詰まってしまうことがあります。

 

例えば、トイレや洗濯機、浄水器などには「ストレーナー(フィルターの一種、洗濯機の水パイプとの接続部にあるのが見やすい)」などのフィルターがついています。

断水工事の直後にこれらを使って水を出そうとすると、詰まりや故障が起こりやすくなってしまいます。

 

そんなトラブルを防ぐためにも、断水工事が終わったときには、最初に「エアー抜き」「赤水抜き」を行いましょう。

 

①フィルターのついていない水栓を、ゆっくりと開いて水を出していきます。

屋外の蛇口や散水栓、洗面台の水栓などが使えます。

その際、水が断続的にかなり勢いよく出てくる(「ブシュッ!」「ブシュッ!」というイメージ)ほか、色も赤茶色っぽくなるので、まわりに飛び散って困らないようビニールやタオルなどで壁を作っておくとよいでしょう。

 

②水がスムーズに流れるようになり、色も元通り透明になったら、閉めていた他の水栓を開けて同様に水を出しましょう。

ある程度勢いは弱くなっているものの、それぞれの栓からは空気や赤水が出ることもあるので、こちらも一気に蛇口を全開にするのではなく、少しずつ開けるようにしましょう。

 

全ての水栓から透明な水がスムーズに流れてくるようになれば、安心して水をお使いいただけます。

 

おわりに

断水工事はそこまで頻繁にあるものではないため、どのように対処すればわからず不安になることも多いかもしれません。

今回の記事や、各メーカーのホームページなどを参考に、断水工事に備えましょう。

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